学術文献から見たサイエンスコミュニケーションに関する研究動向

近年、科学技術をめぐる様々な問題が顕在化してきている。人工知能やバイオテクノロジーなど、科学技術が急速に進歩する時代において、社会や市民が取り残されず、うまく活用して生活していくにはどうしたら良いだろうか。また、特に日本で問題となっている、研究力の低下や研究環境の悪化に歯止めをかけることができるのであろうか。これらの問題に対する手段の一つとして、「サイエンスコミュニケーション」に注目し、関係する研究動向について、エルゼビアの抄録・引用文献データベースScopus(スコーパス)を用いて関連論文を収集して調査した。

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多面的な魅力を放つ「サンゴ」に関する研究動向調査

近年、環境問題への意識の高まりから、様々な分野で脱炭素化の取り組みの1つの分類として、グリーンカーボンとブルーカーボンという考え方がある。前者は陸上の草木、後者は海の生物の光合成による炭素吸収を意味する。最近、日本ではENEOS(5020)や出光興産(5019)といった化石燃料の企業、大学やスタートアップの動きでは、関西大学と環境移送ベンチャーのイノカが、再生医療を活用したサンゴ礁の早期再生に関する共同ラボを立ち上げたように、大企業、スタートアップ、大学の動きが活発化している。ブルーカーボンに関わる生物は多岐に渡るが、本レポートでは、多面的な魅力を放つ一方で、多くが消滅の危機に瀕していたりと課題も多い「サンゴ」に関して、論文情報から研究動向を調査した。

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印刷関連業界の今後はどうなるか?Phase3:近年注力している技術領域探索(製紙業界編)

2020年公開のレポートにて、Phase2として印刷業界をピックアップして近年注力している技術領域の探索を行った。そして今回はPhase3として製紙業界をピックアップ。前々回まとめた製紙業界の現状把握を振り返ると、主要3社である王子ホールディングス(3861)・日本製紙(3863)・大王製紙(3880)において、開発技術に大きな違いは見られなかった。しかし、レンゴー(3941)は段ボールに代表される板紙関連、北越コーポレーション(3865)は洋紙関連の技術に注力しており、技術開発の差異が見られた企業もあった。そのため、今回は製紙業界において近年注力している技術領域を探索することによって、各企業における差別化要素を探索し、今後の業界の方向性を確認することとした。

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日米健康食品技術を俯瞰する

アメリカはサプリメント大国と言われるように、2021年の米国栄養評議会による調査では80%もの人がサプリメントを使用していることが報告されている。一方で日本でのサプリメントのような健康食品の利用率は、男性30.2%、女性38.2%である。この利用率の違いの背景としては、医療費の自己負担額の違いが一つの大きな理由であることが考えられ、アメリカは一般の初診料が日本と比較して非常に高額であるため、病気は「予防する」という健康意識から、サプリメントが日常的に用いられているようである。アメリカと日本の健康食品の特許技術に違いはあるのだろうか。2000年以降に出願された特許公報を用いて日米の特許技術について俯瞰する。

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国内での温室効果ガスの排出量に関わる技術動向-カーボンニュートラルに向けたCO2削減関連技術-

カーボンニュートラルに向けた取り組みがワールドワイドで加速している。日本も例外ではなく、政府は様々な政策を打っている。温室効果ガスの削減には、排出量の評価や削減も重要な技術である。とくに製品やサービスなどのライフサイクルを通じた温室効果ガスの排出量のステージごとの把握、いわゆるカーボンフットプリントは、効果的に温室効果ガスを削減するために重要と考えられる。そこで、温室効果ガスおよび温室効果ガスの中でも温暖化への寄与が大きいCO2とその排出量に関わる日本国内での技術開発動向とプレイヤーについて日本国公開特許公報をリソースとして分析を試みた。

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姿を変えて貴方の食卓へ-昆虫食の技術動向

2023年初頭、ある話題がSNSを騒がせた。そう、昆虫食である。学校給食で提供されたという話題を発端に、昆虫食に関する批判的な意見が噴出した 。そこで本レポートでは、コオロギをはじめとする「昆虫食」をテーマに、国内外の特許情報に基づく技術動向調査を行い、昆虫食の過去・現在・将来の展望について技術的な視点で咀嚼していく。昆虫食の是非について主張するのではなく、技術調査を通して「いつから・どのように昆虫食の技術開発が進んできたか」という視点で技術動向を紐解き、「今後の展望と課題」について筆者個人の考えを整理していくものとご理解いただければ幸いである。

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フェムテック関連技術における日米動向の俯瞰

 従来個人の問題と認識されてきた月経による体調不良や更年期症状など女性特有の不調を、社会の課題として捉える動きが出始めている。近年になって女性の健康をサポートする施策としてフェムテックが注目を集めている。フェムテックとは「female」と「technology」を組み合わせた造語で、女性のライフステージにおける諸課題を解決できる製品やサービスを指す。このようなフェムテック市場は国内外で大きく成長している。その市場規模は、日本においては約643億、世界では2025年に5兆円に達するとの予想も出ており、国内外で事業拡大が見られている。

そこで本レポートではフェムテック市場の最近の動向を調べるべく、日本市場と米国市場での技術動向を日米の公開および登録特許公報を基に分析を行った。

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2022年WIPO全公開特許から世界技術情勢を読む

WIPO(World Intellectual Property Organization:世界知的所有件機関)に2022年に公開された全公報の分析を行った。一般に、技術の分析には、大きく分けて、基礎段階の研究については学術論文を用いた分析と、実用段階では、特許を用いた分析の2通りがある。この2つで見えてくる様相は異なることが多く、特に量子コンピュータなどの黎明期の技術については論文でこそ多くの動向が分かるが、特許ではまだその一部の活動が追える程度である。近年の政治的情勢により、米国公開の特許が世界情勢の反映されない情報源になってしまった現在、貴重な情報源であるWIPO2022年公開の特許を収集し、世界における実用化間近の技術動向を分析した。

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The Beatlesを俯瞰する

音楽は世界中で親しまれている芸術であり娯楽である。一般大衆向けの音楽ではジャズやロックなど様々なジャンルが存在するが、20世紀以降、世界で最も多くの人が聴き、商業的にも最も成功したアーティストといえばThe Beatlesである。The Beatlesは1960年代にイギリスのリヴァプールで生まれた四人組のロックバンド。今回は彼らの活動期間に残した名曲群について、自然言語処理を使って紐解いていく。

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ビジネスモデル特許からみるAIの現状と可能性

AI(人工知能)の進歩が目覚ましい。OpenAIが2022年11月30日に公開したチャットボットChatGPTは全世界に衝撃を与え、瞬く間に1億ユーザーを超えた。また、ChatGPTのリリースを皮切りに、OpenAIとパートナーシップを結んでいるMicrosoftによるBingへのチャット検索機能の搭載やGoogleによるAIチャットボットBardなど、汎用AIチャットボットサービスのリリースが相次いでいる。現時点でAIの実用化はどこまで進んでいるのだろうか。本稿では、ビジネスにおけるAI利用を技術面から捉えることでAI実用化の現状を把握しつつ、今後の開発の方向性について考察する。

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カーボンニュートラルに向けたCO2削減関連技術-国内での合成ガス関連技術動向

合成ガス(シンガス)は一酸化炭素と水素を主体としたガスであり、カーボンニュートラルに寄与する一つの手段として期待される。カーボンニュートラルが注目されている今、100年近い歴史を持つ合成ガスに関わる技術開発がどのような状況にあるかは関心が持たれるところである。そこで、合成ガスに関わる技術開発の動向、とくに日本での開発状況について、特許情報をもとに分析を試みた。

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変革の時代に改めて原子力エネルギーの意義を問う

近年、再び原子力エネルギーに注目が集まっている。かつて、二酸化炭素削減のための有望なエネルギー源として注目された時期があったが、2011年の東日本大震災という未曽有の天災と一部の人災による原子力事故を境に、その安全性コストの評価が変わり、再生可能エネルギーがその座についた。ところが、完全な人災であるウクライナ侵攻により、節目が再び変わった。化石エネルギーのコストが急増し、皮肉にも原子力エネルギーに再び注目が集まった。核戦争の可能性がゼロでない中での判断である。そこで、原子力に関する世界特許を収集し、技術的動向分析を行った。

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マルチプラットフォーム化に関する技術開発動向

2022年5月、Microsoftは.net MAUIをリリースした。これはいわゆるマルチプラットフォーム、クロスプラットフォームの開発環境と言われるものである。アプリケーション開発者としては、一つのアプリケーションを複数プラットフォーム用に個別に開発する必要がなくなり、効率的な開発が可能となる。ユーザ側視点で見ても、端末を変えたときに前の端末では使えていたアプリケーションが使えなくなるリスクが減る等メリットが有る技術と言える。そこで、今回はマルチプラットフォームに関する技術開発動向を分析した。

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微生物培養技術のマクロ動向俯瞰

近年、遺伝子治療やmRNAワクチンといった、医療分野での新たな治療手段が増えてきている。この様な新たな治療手段が生まれる背景には、CRISPR-Casをはじめとしたゲノム編集技術といった生化学分野の研究・技術の著しい発展があるわけであるが、ゲノム編集技術の開発に微生物が貢献してきた事はあまり知られていないように思える。本レポートでは、微生物関連技術のうち、培養に関連した特許を大局的に俯瞰する事により、微生物培養に関連した技術動向を整理した(なお、本レポートにおいては、ウイルスは分析の対象外とした)。

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