アメリカはサプリメント大国と言われるように、2021年の米国栄養評議会による調査では80%もの人がサプリメントを使用していることが報告されている。一方で日本でのサプリメントのような健康食品の利用率は、男性30.2%、女性38.2%である。この利用率の違いの背景としては、医療費の自己負担額の違いが一つの大きな理由であることが考えられ、アメリカは一般の初診料が日本と比較して非常に高額であるため、病気は「予防する」という健康意識から、サプリメントが日常的に用いられているようである。アメリカと日本の健康食品の特許技術に違いはあるのだろうか。2000年以降に出願された特許公報を用いて日米の特許技術について俯瞰する。
Read More日本における超高齢社会が進んでいる。これは、①少子化の進行による若年人口の減少と②死亡率の低下に伴う平均寿命の延伸の大きく2つが原因であり、①については、国を維持していくために解決すべき大きな問題である。②については、栄養価の高い食事を子供のころから摂れることが死亡率の低下に貢献している。近年この「食」に関して「フードテック」という大きな動きがある。その領域としては、大豆肉や昆虫食といった代替フードからUber Eats、調理アプリなどのソフトウェアまで多岐に渡る。本レポートでは、「食」に関するビジネスモデル特許に限定し、VALUENEX Radarによる俯瞰解析で明らかにしていく。
Read More「デイリーストックアクション (DSA)」とは、“日常的常温保存可能食品を一定量ストックしながら食べていこう”という家庭用備蓄推進活動であり、日常的な短時間調理に活用できつつ、災害用の備蓄食料も保持できるというコンセプトである。こうした活動は災害時だけでなく、食品ロスの削減にも有益である。
しかし、食品は何も手を加えなければ腐敗や品質劣化が進む。加えて健康志向の高まりによる保存料など添加物不使用の食品ニーズに応える必要もあり、食材の生産や加工、流通など各フェーズにおける技術開発が進んでいると考えられる。そこで、日本国公開特許公報を用いて、食品を長持ちさせる技術に取り組みや課題について明らかにする。
SDGs (Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標) は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている2030年に向けた国際目標である。SDGsの目標の中では「飢餓」や「水」といった食品に深く関わるものがあり、関係各社も積極的に活動していることが窺えるが、具体的にどのような技術が背景にあり、目標を達成しているのかを探ることは困難である。そこで、VALUENEXのDocRadarを用いて、SDGsの目標2「飢餓」分野に関連する技術俯瞰図を作成し、時系列ごとの違い、どんなプレイヤーがいるのかを把握した。
Read Moreパナソニックはトマトの収穫ロボットの開発、試験販売の計画を明らかにした。画像処理技術で熟したトマトを特定し、ロボットハンドによりトマトを収穫するという。農業の人手不足への対応や、効率化が課題となる中で、人手に頼る部分の多かった収穫は農業機械が広く導入されているが、機械化の難しかった作物の収穫で今後、収穫ロボットが活躍の場を増やすと予想される。また、収穫ロボットの技術開発では農業機械メーカー以外の企業の参入が予想され、技術開発動向が転換を迎える可能性も考えられる。収穫機に関する技術開発はどのような動向を示しているのであろうか。果物、野菜、根菜等の収穫機に関連する日本国公開特許公報を収集し、分析する。
Read More乳酸菌は菌の中でも私たちがよく耳にする言葉である。スーパーやコンビニエンスストアで手にするヨーグルト、チーズ、アイス等の乳製品はもちろん最近ではチョコレートにも配合され、その商品価値は多岐にわたる。 中でも明治ホールディングズは、プロビオブランドの「リスクと戦う乳酸菌」LG-21や「強さひきだす乳酸菌」R-1、「プリン体と戦う乳酸菌」PA-3等、の売り上げが大変好調である。消費者の心理に訴えかけたブランディングイメージはもちろんであるが、長年の乳酸菌研究成果のたまものであるともいえよう。 しかしながら明治ホールディングズも2017年3月期の営業利益は減益見込みを見込んでいる。これには様々な要因があるが、一つには今後の人口減少に備え、製品の絞り込みを行っているとも推測されている。私たちの生活に欠かせない乳製品は今後どうなっていくのか、乳酸菌に焦点を当て調査していく。
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