本年8月15日、中国の商務部と税関総署はアンチモン及びその製造技術等を9月15日から輸出許可の対象とすることを発表した。これによりアンチモンを中国から輸出する際には中国政府の許可を受けることが必要となる。
アンチモン(元素記号Sb)はいわゆるレアメタルで、2050年までに埋蔵量ベースでも使用量が超過する可能性がある金属の一つとされており、アンチモン鉱石の生産量のうちの48%を中国が占めている。またアンチモンのCIF輸入価格は2022年頃から急騰していて、中国の輸出規制が始まれば、アンチモンを利用した製品に大きな影響を与える可能性がある。そこで、日本国内でのアンチモンが関わる技術開発動向とプレイヤーを明らかにすることを目的とし、日本国公開特許公報を用いた俯瞰解析を行った。