先端材料の最新動向を産業分野別・材料別に分析
世界の注目企業の動きから、次の一手を導く

　地球温暖化やカーボンニュートラルへの対応など、サステナブル時代に向けてマテリアル分野の革新が求められています。本レポートは、独自のアルゴリズム・人工知能技術を駆使したビッグデータ・予測分析ツールやコンサルティングサービスを提供しているVALUENEXを著者に迎え、ベンチャーを中心に先端材料を開発する企業に焦点を当てて、先端材料の動向を可視化し、産業分野や材料ごとに徹底分析しました。さらに、各材料分野で注目すべきベンチャーや独自企業をピックアップし、会社概要や事業内容、技術優位性、競合企業分析などを実施しています。製造方法や用途展開で独自性を極める企業やESG投資の対象となるベンチャーなどマテリアル分野で欠かせない最新動向を紹介しています。
　具体的には、産業別として、航空宇宙や自動車、建築、医療、アパレル（衣料）、食品、エネルギーといった分野の市場動向や技術開発動向、材料動向を解説しました。さらに、本レポート「マテリアル革新【樹脂/バイオマス由来/CO₂回収/プロセス革新編】」では、バイオマス由来素材を含む樹脂をはじめ、CO₂回収可能な材料や機能性材料、機能性添加剤といった材料分野と、人工知能 (AI) や3Dプリンティングといった材料のプロセス革新を生みだす分野の最新動向や注目企業の詳細を解説しています。

　本レポートで取り上げる注目企業は46社。このうち、樹脂分野が17社、CO₂回収可能な材料分野が6社、機能性材料分野が11社、機能性添加剤分野が4社、プロセス革新分野が8社です。素材関連企業やセットメーカーをはじめ、マテリアル分野でのM&AやESG投資を考えている企業に、将来動向をはじめ、注目企業の動向や得意な技術、競合先を理解するのに最適なレポートとなっていますので、ぜひご活用ください。

読みどころ

特徴

樹脂

　樹脂分野は、カーボンニュートラルや海洋汚染の問題などから大きな岐路に立っています。そのため、石油化学による樹脂製造からバイオマス由来樹脂や生分解性樹脂などの技術開発に注目が集まっています。本レポートでは、バイオマス由来樹脂や生分解性樹脂をはじめ、生体材料や新規アプリケーションに取り組む樹脂分野の注目企業を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの4章では樹脂における注目ベンチャー (企業) としてバイオマス由来 (4-1)、生分解性樹脂 (4-2)、生体材料 (4-3)、新規アプリケーション (4-4) で分類した16社を取り上げる。
　このうち、バイオマス由来はMycoWorks、Spiber、SIBOの3社。菌糸体材料を用いた培養レザーや、微生物発酵による多機能なタンパク質素材、食品廃棄物や昆虫などの生体材料を用いたバイオポリマーを開発する企業を取り上げている。
　生分解性樹脂はGo Lab、Mobius、Biopolix technological material、RWDC industries、ABM composite、Ecovia Renewables、Tianjin Green Biomaterials、Algenesisの8社。木質繊維を用いた断熱材や、廃棄物からリグニン抽出して製造したペレット、微生物発酵プロセスで製造するPHA (ポリヒドロキシルアルカノエート)、生分解性複合材、グルコースやグリセロールなどの100％再生可能原料から発酵ベースで製造する多機能生体高分子、生分解性インフレーションフィルムのペレット、藻類や非食品植物油から製造する再生可能なポリウレタンなどに取り組む企業を取り上げている。
　生体材料は生細胞を含む水ベースの光活性バイオインクで投影ステレオリソグラフィーを利用した3Dティッシュ印刷技術を持つVolumetricを掲載。新規アプリケーションはOxford Performance Materials、Blueshift International Materials、HZO (Semblant)、FLEEP technologiesの4社。PEKK (ポリエーテルケトンケトン) と3Dプリント技術を組み合わせた高性能な積層造形やロールツーロール方式で製造するポリイミドを代替可能なポリマーエアロゲル、電子機器を保護するプラズマをベースにしたナノコーティング、印刷可能なポリマーベースの集積回路技術などに取り組む企業を取り上げている。

CO₂回収可能な材料

　CO₂回収可能な材料分野は、材料製造時にCO₂を用いることで、CO₂を排出するのではなく、逆に吸収することから環境負荷の低い材料として、カーボンニュートラルへの対応が本格化しつつある現在、大きな注目を浴び始めています。本レポートでは、CO₂回収可能な材料製造に取り組む注目企業6社を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの5章ではCO₂回収可能な材料における注目ベンチャー (企業) として材料製造 (5-1) に分類したEcophene、Blue Planet、CleanO₂ Carbon Capture Technologies、Cambridge Carbon Capture、C-Capture Limited、Solidia Technologiesの6社を取り上げる。
　大気中のCO₂から工業グレードのグラフェンを大量生産する製造方法や、CO₂含有ガスを水ベースの捕捉溶液と接触させることで炭酸塩に変換するプロセス、暖房システムの排気から回収したCO₂を炭酸塩に変換する小型回収ユニット、回収されたCO₂からMgCO₃を生成する鉱化技術、CO₂回収する溶媒システム、水の代わりにCO₂を利用するコンクリート材などに取り組むベンチャーが登場している。

機能性材料

　機能性材料分野は、フォトニクス材料や金属アモルファス材料、量子ドット材料、ペロブスカイト材料、超軟質材料、熱エネルギー貯蔵材料など、これまでにない新しい価値を生む材料開発が活発化しています。本レポートでは、バイオマス由来素材や新規アプリケーション、環境対応に取り組む機能性材料分野の注目企業を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの6章では機能性材料における注目ベンチャー (企業) として新規アプリケーション (6-1) と環境保全 (6-2) で分類した11社を取り上げる。
　新規アプリケーションはMeta Materials、CorePower Magnetics、Nonlinear Material、QustomDot、Cerealus、Bluedot Photonics、Arieca、3TC Isolamento、NETenergyの9社。メタマテリアルやアモルファス磁性材、フォトニック結晶デバイス、ペロブスカイト材料、液体金属埋込エラストマー、相変化材料に加えて、量子ドット技術や製紙向け技術、反射性ポリマーを用いた断熱材などを手掛けるベンチャー (企業) を取り上げている。
　環境保全は、モンモリロナイト鉱物添加物を活用した塗料・コーティング材料を手掛けるALINAと、ココナッツの殻とバイオベースの接着剤で作られたパネル複合材を提供するNaturLoopの2社を掲載している。

機能性添加剤

　機能性添加剤分野は、化粧品向けをはじめ、幅広い用途での利用が期待されている酸化チタンやリチウムイオン電池の高性能化を実現する添加剤、ナノ粒子製造などに関する技術開発に注目が集まっています。本レポートでは、新規アプリケーションや環境対応に取り組む機能性添加剤分野の注目企業を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの7章では機能性材料における注目ベンチャー (企業) として新規アプリケーション (7-1) と環境保全 (7-2) で分類した4社を取り上げる。
　新規アプリケーションはVenator Materials、TruSpin Nanomaterials Innovation、nFluidsの3社。酸化チタンや電池添加剤用ナノファイバー、添加剤用大規模ナノ粒子製造などを手掛けるベンチャー (企業) を取り上げている。 環境保全は、汚染された水から溶解した重金属を除去するための吸着剤を手掛けるNUMiX MATERIALSを掲載している。

プロセス革新

　プロセス革新分野は、未知の材料における特性をAIを活用して早期に見極めることができる「マテリアルズインフォマティクス」と呼ぶ材料開発が注目を集めています。また、3Dプリンティングを利用した製造技術が高度化し、樹脂だけでなく、金属やセラミックスなどの適用に向けた開発が活発化しています。本レポートでは、AIや3Dプリンティングを用いてプロセス革新に取り組む注目企業を紹介します。

------詳しい内容------

　本レポートの8章ではプロセス革新における注目ベンチャー (企業) としてAI (8-1) と3Dプリンティング (8-2) で分類した8社を取り上げる。
　AIはExabyte.io、Nextmol、ReFaMo Oy、Material.ai、Phaseshift Technologies、Calyoの6社。クラウド上で材料シミュレーションと高性能コンピューティングが可能なデジタルマテリアルR&Dプラットフォームや、分子モデリングとAIを用いた新しい化学物質の設計、疲労構造ヘルスモニタリングの問題解決、材料発見のプロセスを加速するアルゴリズム作成、材料特性の予測と挙動モデリングによる合金組成の発見、サウンドビジョンセンサーシステムなどを手掛けるベンチャー (企業) を取り上げる。
　3Dプリンティングは、焼結ベースのコールドメタルフュージョンによる金属3Dプリンティングのソリューションを提供するHeadmade Materialsと、ナノ材料製造プロセスを用いた導電性を備える3Dプリントフィラメントを手掛けるFunctionalizeを掲載している。

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