和光純薬工業の買収劇 俯瞰解析で見た応札企業の技術シナジーの可能性

2016年7月、富士フイルムホールディングスが武田薬品工業の子会社である和光純薬工業の買収を提案した。和光純薬工業は非上場企業だが、2016年度の売上高は757億円の創薬研究用試薬では国内トップのシェアの企業である。 このニュースを受け、日立化成中心とした日立グループ、2016年に東芝メディカルを傘下にいれたキヤノンなど国内外の企業が買収に乗り出すというニュースが報じら、この買収劇は2016年11月に武田薬品工業が約2,000億円規模の買収額で合意、2016年度中には手続き完了を目指すという結末を迎えた。 今回は和光純薬工業の買収を行う富士フイルムホールディングスと、応札に参加した日立グループ、東芝メディカル・キヤノンについて俯瞰解析を用いて、各社の技術シナジーなどについて調査を行っていく。

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GoogleとNovartis -製薬業界の転換期をどう乗り越えるか

NovartisとGoogleは2014年に糖尿病患者向けのスマートコンタクトレンズを発表した。これは製薬業界とIT業界による共同開発という新たな動きであった。IT企業と製薬企業といった一見関連性のない企業でも共同開発を行っており、大変興味深い。共同開発を想定した場合、両社が保有している技術を持ち寄り、研究開発を行うと考えられる。したがって、両社の技術に一定の共通性が必要であると考えられるが、それぞれどのような技術を保有していたから、共同開発を行おうと考えたのか?また、両社の接点はスマートコンタクトに限定されたものなのだろうか? 両社が開発を行っている技術から、これらの可能性を検討した。

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市場の激化が予想される業務用3Dプリンターの特許でみる技術開発動向分析

従来の製造技術では作ることが出来ない、複雑な構造のものを製造可能な3Dプリンターは、医療分野をはじめ、建設、自動車、航空・宇宙分野など、多くの業界で注目されている。3Dプリンターは、大量生産には向かないが、オーダーメイドには非常に相性が良い。現在、高品質・高価格の業務用3Dプリンターに関しては、米HPや、日本の大手プリンターメーカーが、3Dプリンター市場への参入を表明しており、市場が激化することが予想される。そこで、3Dプリンターに関する日本各社の技術開発動向を分析し、どのような企業が3Dプリンターに注目しているのかを明らかにしていく。

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農業の効率化に寄与する収穫機・収穫ロボットの技術開発動向

パナソニックはトマトの収穫ロボットの開発、試験販売の計画を明らかにした。画像処理技術で熟したトマトを特定し、ロボットハンドによりトマトを収穫するという。農業の人手不足への対応や、効率化が課題となる中で、人手に頼る部分の多かった収穫は農業機械が広く導入されているが、機械化の難しかった作物の収穫で今後、収穫ロボットが活躍の場を増やすと予想される。また、収穫ロボットの技術開発では農業機械メーカー以外の企業の参入が予想され、技術開発動向が転換を迎える可能性も考えられる。収穫機に関する技術開発はどのような動向を示しているのであろうか。果物、野菜、根菜等の収穫機に関連する日本国公開特許公報を収集し、分析する。

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【学術論文分析】水素社会に向けた研究開発動向の俯瞰- II.水素貯蔵

クリーンなエネルギー源として注目されている水素であるが、その実用化に関してはいくつかの課題が存在する。ひとつは水素が単独では天然にほとんど存在しないため、何らかの手段で製造する必要があることであり、これに関しては前回のレポート (8/16号) にて研究動向の概要を示した。もう一つの課題が取り扱いの難しさであり、爆発限界の広さやガス透過性の高さ、鋼材に対する水素脆性などが課題となる。すなわち、どのように水素を大量かつ安全に貯蔵するかである。そこで、本レポートでは水素貯蔵にフォーカスし、学術文献情報を用いて研究開発動向を俯瞰した。

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ソフトバンクの英ARM買収はあらたな事業への前哨戦

Soft Bankが英半導体設計大手のARMを英国市場最大の約3.3兆円で買収を完了させた。SBが売り上げ、純利益、営業利益ともにドコモを超えた2013年以降、孫社長の海外事業の拡大は手を緩めることがないように見える。2006年に英ボーダフォン買収額1兆7,500億円、2013年7月に米国の通信キャリアSPRINT社も1兆8,000億円で子会社化したが、ARMの買収は、その金額をはるかに超えているM&A案件であった。 これらの巨額M&Aは、孫社長の野望と経営手腕に衆目が集まるが、技術的なシナジーについて詳述している記事をみかける機会が少ない。そこで、Soft Bank、ARM、Sprintが出願、もしくは権利を有しているUS Application Patentを収集し、各社の研究開発の傾向、最近の潮流、三社の共通領域、今後向かう領域について俯瞰解析を実施した。

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製造業復権の可能性、データ駆動技術の動向分析

近年、現象の予測・制御を行うアプローチに変化が起きつつある。少し前まで、現象を支配するモデルを想定し、そのモデルのパラメータを観測値から決定することで、予測を行うモデル駆動が主流であった。この方法は、現象の因果関係が明確になるメリットはあるが、実際の複雑な現象が、単純なモデルで正確に表現することはあり得ず、予測の精度が悪い。一方、最近、注目を浴びつつあるデータ駆動では、シンプルなモデルの仮定は放棄して、現象の説明はできないものの、実際に起きるデータのパターンを調べることで、より正確に予測・制御することが可能となってきつつある。 このデータ駆動に関する技術動向を調べるため、その先進国である米国の公開公報を用いて分析を行った。

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新事業の拡大を目指すデンソーの新技術領域

自動車部品国内最大手のデンソーは2016年9月、自動車部品以外の新事業の育成に本格的に乗り出すことを発表した。同社は、自動車部品の技術を応用し、「マイクログリッド」「セキュリティ」「ヘルスケア」「農業支援」「コールドチェーン」「電動アシスト」「情報ソリューション」「バイオ」の8分野に展開している。これら新事業の売上高は2020年度までに1,000億円に拡大する計画、5割以上の伸びを期待されている。各事業において、「ヘルスケア」における自動追従型手台ロボット「iArmS」など、既存商品以外に商品化が近いものに加え、新事業を強化していく技術開発は行われているのであろうか。本レポートでは、デンソーの膨大な特許出願を解析し、自動車部品との関連性が低い技術を中心にピックアップした結果を紹介する。

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新規参入が続く映像配信に関する動向分析

映像配信の新規参入が続いている。テレビ朝日はサイバーエージェントと「AbemaTV」を設立し、24時間無料でのインターネット配信事業に乗り出し、配信開始後約5か月でアプリダウンロード数が800万に達したとしている。NHKオンデマンド等のテレビで放映されたコンテンツを有償で配信したり、HuluやGAO等、定額で映画等を配信するサービスも数多く行われている。スマートフォンの普及やネットワーク環境の整備により、いつでもどこでも映像を見ることが出来るようになったことから、映像配信形態の一つとして急速に普及が進んでいくものと考えられる。今回はインターネットなどのネットワークによる映像配信に関する技術開発動向を分析する。

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NNIから15年を経たナノ粒子技術

米国クリントン政権がナノテクノロジーに対する積極的投資(国家ナノテクノロジーイニシアチブ、NNI)を開始したのは2001年度からであり、これにより世界的にナノテクノロジーブームが到来した。当時ナノテクノロジーで先行していた日本も例外ではなく、ナノマテリアルやナノ加工など、様々な分野でナノテクノロジーへの取り組みが活発化した。それから早や15年が過ぎようとしている。 ナノテクノロジーの代表的な研究領域の一つにナノ粒子がある。粒子のサイズをナノスケールにすることで、量子的挙動や低融点化など、バルク材料とは異なる挙動を示すことで注目され、多数の研究開発が行われた。これらの研究成果はどのように製品に結びつこうとしているのか、また産業ベースで見た場合、技術開発はどのように変化していきているのであろうか。ここではその一端として、日本国公開特許公報をリソースとし、ナノ粒子に係る技術開発の変遷とそのプレイヤーを明らかにした。

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iPS細胞の次~ゲノム編集と再生医療の注目企業~

近年、CRISPR/CAS9 を導入することで、効率的にゲノム編集ができることが発見され、注目されている。CRISPR/CAS9 を用いることで、DNA を切断し、任意の場所を削除、置換、挿入することが可能となる。そのためこの技術は、HIV の遺伝子治療、再生医療、動植物の品種改良などへの応用が期待され、積極的に研究されている。

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ビジネス・社会革新の旗手「ポケモンGO」で注目される拡張現実(AR)技術の動向分析

ポケモンGOが世界中で一大ブームを巻き起こしている。ダウンロード数は配信開始から1ヶ月で1億件を超え、収益も配信初月で200億円を超えるというモンスターアプリである。ポケモンGOは、日本の任天堂や株式会社ポケモンが誇る「ポケモン」というコンテンツIPと米ナイアンティック(位置情報活用ゲーム「イングレス」開発会社)の技術が掛け合わさった賜物である。イングレスで培った位置情報活用技術と拡張現実技術(AR)をベースに、ポケモンという世界中で愛されている日本のコンテンツが融合したことで爆発的ヒットを起こした。本レポートでは、AR技術がどのような変遷を辿り、主な技術領域や主要プレイヤーを明らかにする。

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パワーデバイスなど最新技術を支える蒸着・スパッタリング技術の最新技術動向

近年、表面に機材とは異なる金属や酸化物を付けて機能化させる蒸着・スパッタリングが注目されている。蒸着・スパッタリングは決して新しい技術ではないが、半導体の微細化配線技術、ガスバリアフィルムや透明導電膜などの機能性フィルムなどの製造には欠かせない技術であり、食品包装や電子デバイス、ディスプレイ、コンデンサ・キャパシタなどの最新電子機器・部品など広い分野で利用されている技術である。 よって、今回は蒸着・スパッタリングについて公開された特許を収集し、周辺の研究開発動向についてTechRadar、DocRaderを用いて調査を行っていく。

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医薬品業界の特許切れ問題-塩野義製薬と共和薬品工業の研究動向

日本の医療費総額が40兆円を突破し、今後も高齢者の増加に伴う医療費拡大が予測されており、製薬会社をはじめ、様々な医療関連技術のビジネスモデルが見直しを迫られている。 医薬品の国内市場では、割安なジェネリック医薬品が急速に普及しており、政府は20年度までにジェネリック医薬品のシェアを80%以上に高める方針である。一方ジェネリック医薬品の処方が増えると、特許切れ新薬の販売が減るため特許切れ新薬の比率が高い企業は苦戦を強いられる形となる。 上位シェアを誇る塩野義製薬は、2016年8月、特許切れの医薬品を共和薬品工業に154億円で売却することを発表。売却対象は塩野義製薬が開発した睡眠導入剤や抗うつ剤など精神神経疾患系の治療薬など21製品。同社が移管するのはすでに特許が切れた長期収載品であり、販売地域と疾患を選択・集中化させることで売り上げを拡大してゆく計画である。

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【学術論文分析】水素社会に向けた研究開発動向の俯瞰- I.水素製造

水素は燃焼しても水しか排出しないクリーンなエネルギー源として注目されている。とくに近年では家庭用燃料電池や燃料電池自動車などの登場により、その注目度はますます高まっている。エネルギー源としての水素利用は、政策的にも重視されている。期待の高まる水素エネルギーであるが、水素社会を実現するためには、水素を「作る」、「運ぶ」、「貯める」といった要素に対する研究開発が不可欠となる。本報では水素社会の実現に向けた3つの要素のうちの一つである水素製造に着目し、その研究開発動向を、学術文献をリソースとして分析した。

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