ソニーから村田製作所に譲渡される電池事業における技術資産の俯瞰解析

2017年3月を目途にソニーが、村田製作所に電池事業を譲渡することを発表した。譲渡の対象は、アルカリ乾電池などの一般消費者向け販売事業を除く、国内外の電池事業に関連する資産や人員を想定しており、法的拘束力を持つ契約を2016年10月に締結する予定としている。ソニーの電池事業部門は、2016年3月期の売上高は約1,600億円に上っている。しかし近年では、中韓勢との価格競争による赤字が続いており、一方で「中期構想2018」の経営目標としてエネルギー分野を注力市場とする村田製作所と、利害が一致したと思われる。 電池事業の譲渡によって、村田製作所をどれほどの資産を有することが可能であるのか。技術資産を表す特許ポートフォリオの観点によって概況を確認するため、俯瞰解析を実施した。

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環境問題への取り組みで大きな役割を果たすろ過材の技術開発動向

日立造船は、ろ過装置の海外展開を推進しているが、そのファーストステップとしてハンガリーで電子機器工場向けに高度浄水用ろ過装置を受注したと報じられた。このろ過装置は、ろ過材に特殊な繊維を球形にしたものを用いることに特徴がある。 ろ過装置は液体や気体から固体粒子等を分離する。多くの環境問題の議論に、この分離の技術が密接に関連する。典型的には、排気ガスや排水から不純物を除去するような場合にろ過装置が利用される。また、近年の人口動態変化や気候変動などを背景に報道が目立つようになっている水ビジネスとの関連性も深い。 ろ過装置の性能はろ過材に大きく左右される。冒頭に述べた日立造船の技術もろ過材に特徴のある技術である。ろ過技術に対する社会的な要請が高まることが予想されるが、鍵を握るろ過材に関してどのプレイヤーがどのような技術を開発しているであろうか。ろ過材の技術の開発動向を知るため、関連する日本国公開特許公報を収集、分析する。

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遮熱技術の広がりとプレイヤー

省エネルギーに対する取り組みに関しては、一次エネルギーレベルから二次エネルギーレベルまで、さまざまなレベルでの取り組みがなされている。熱エネルギーも例外ではなく、排熱回収や熱電変換など、様々な技術開発が行われている。 熱エネルギーの利活用あるいは制御技術において、もっとも身近なものは遮熱であろう。遮熱は文字通り外界からの熱の侵入の防止や内部からの熱が外に漏れないようにすることであり、例えば夏場に住戸や自動車内部に熱が入らないようにする技術である。ここでは遮熱技術のトレンドを明らかにするために、遮熱に関する日本国内の特許公報の分析を行った。

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0から1を生み出すイスラエル国の全特許分析

現在、イスラエル発の技術が世界に溢れている。飲み込むことで腸内の情報を取得する「カプセル型内視鏡」や、マイクロソフト社のゲーム機Xboxのプレーヤーの動作を読み取る「キネクト」、携帯の非接触給電も、イスラエル発である。最近では、アップル、フェイスブック、グーグルなどの米国大手IT企業による、イスラエル発IT技術、ベンチャー企業の買収が目立っている。0から1を生み出すのが得意と言われるイスラエル企業と、1を100に育てるのが上手な日本企業とのコラボも真剣に検討されている。中国・韓国は、既に日本より先に買収に乗り出しているとの情報もある。 この世界最先端のイスラエル技術の全体を俯瞰するため、イスラエル国特許の解析を行った。

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ロボット事業に再参入するソニーの技術基盤

ソニーは先月29日、経営方針説明会においてAIを活用したロボット事業への参入を計画していることを発表した。既にロボット技術の事業化に向けた組織を4月に立ち上げており、また、5月にはアメリカの最先端AI開発ベンチャー企業COGITAIへの出資と提携を発表した。着々と事業化の準備を進めているソニーだが、広く知られている通り同社は2006年に家庭用ロボット事業から撤退している。「AIBO」を世に送り出した同社にとって実に10年ぶりのロボット事業再参入となる。本レポートでは、この10年の間に同社が蓄積してきたロボット技術と、同社がロボットに活用し得る技術を概観するために、当社の特許俯瞰解析ツール「TechRadar」を用いて明らかにした結果を紹介する。

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電力利用に欠かせない、モーターの技術開発

地球温暖化防止を目指し、CO2排出量削減が求められる中、エネルギーの有効利用が望まれていることは議論を待たない。特に太陽光発電等の再生可能エネルギーを利用して生成することが可能な電力はその有効活用が望まれる。化石燃料の利用を0にすることは難しいものの、電力を利用して代替することが出来れば、CO2排出量を削減できる可能性は高い。電力は様々な用途で利用されているが、化石燃料代替を考えた場合、モーターを用いて動力として利用する事で化石燃料の使用量を削減することが可能になる。動力として利用する場合、ハイブリッド自動車に代表されるように、電池に蓄電し、これを用いてモーターを利用する場面も多く、モーターが効率化することで航続距離が伸びるなどのメリットがあるため、重要な技術開発の一つと考えられる。そこで、今回はモーターの技術開発動向を分析する。

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なぜAppleはLuxVue Technologyを買収したのか?

Micro-LEDは、従来のLEDと比較して、コントラスト、応答速度、省エネ性で優れている。スマートホンのユーザーならとりわけバッテリーの持続時間には関心があるだろう。 2014年5月、Appleは、Micro-LEDのscreen 技術を保有するLuxVue Technology (以下、LuxVue) を買収した。LuxVueは2009年に設立されたSanta Claraのスタートアップカンパニーであり、すでにシリーズCにて$43 million の調達にも成功していた。同社の技術はとりわけ省エネ性に優れているといわれている。同社のUS Patentは59件あり、中でもコアとなる技術はUS 8552436, Andreas Bibl, "Light emitting diode structure", published 8 October 2013である。

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ストップ!ジカ熱・デング熱 特許俯瞰図からみた殺虫剤・忌避剤の技術動向推移

2016年夏のリオデジャネイロオリンピックの開催まで残すところ1か月半となり、盛り上がりを見せているが、今回のオリンピックでは別の意味での五輪熱が問題となっている。南米を中心に流行しているジカ熱である。ジカ熱はデング熱より症状が軽いが、南米への渡航が増えるであろう夏以降、個人や自治体、国レベルでの注意が必要と言えよう。2014年には同じく蚊を媒介として感染するデング熱の二次感染者が国内でも確認され、それらの感染症の予防の面においても殺虫剤・忌避剤についての技術動向が注目されている。 よって、今回は広く殺虫剤・忌避剤について出願された特許を収集し、周辺の研究開発動向について調査を行っていく。

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乳酸菌で見るこれからの飲料業界の推移 -好調なプロビオヨーグルト

乳酸菌は菌の中でも私たちがよく耳にする言葉である。スーパーやコンビニエンスストアで手にするヨーグルト、チーズ、アイス等の乳製品はもちろん最近ではチョコレートにも配合され、その商品価値は多岐にわたる。 中でも明治ホールディングズは、プロビオブランドの「リスクと戦う乳酸菌」LG-21や「強さひきだす乳酸菌」R-1、「プリン体と戦う乳酸菌」PA-3等、の売り上げが大変好調である。消費者の心理に訴えかけたブランディングイメージはもちろんであるが、長年の乳酸菌研究成果のたまものであるともいえよう。 しかしながら明治ホールディングズも2017年3月期の営業利益は減益見込みを見込んでいる。これには様々な要因があるが、一つには今後の人口減少に備え、製品の絞り込みを行っているとも推測されている。私たちの生活に欠かせない乳製品は今後どうなっていくのか、乳酸菌に焦点を当て調査していく。

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4K・8Kの次なる映像技術革新として再び期待される裸眼3D技術を蓄積してきたプレイヤー

映像を立体的に見せる3D映画の技術は、2009年に上映されたハリウッド映画「アバター」を契機に流行し、日経トレンディにおいては2010年のヒット商品として2位に選定、一般家庭でも3D再生ができるよう、テレビ機器への搭載が試みられたが、その家庭向けの市場は失敗だったとされている。原因は様々あるが、特に問題であったとされるのは、3D視聴をするためには専用のメガネをかけなければならず、日常的に使用するには適していなかったことだ。しかし、NHK放送技術研究所は技研公開2016において、8K・4Kの次の目標は立体テレビであるとして、8Kを超える解像度によって、立体テレビの実現が可能とする。

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高精細な有機ELを実現する蒸着マスクの技術開発動向

スマートフォンやテレビなどのディスプレイにおいて、有機EL素子が注目を集めている。LGやサムスングループなど韓国企業の先行が指摘される中、日本企業でもジャパンディスプレイやシャープが有機ELパネルの量産に向けた投資を進めていると報じられている。 有機EL素子の本格的な普及で恩恵を受けるのは、最終製品のメーカーに限られない。有機EL素子は、偏光板のように液晶と共通する部品が含まれる一方で、製造の要素技術には液晶にない技術が含まれる。中でも、蒸着マスクの技術は、より精細な有機EL素子のために重要な技術となる。そこで、有機EL素子の製造のための蒸着マスクの技術の開発動向を知るため、関連する日本国公開特許公報を収集し分析する。

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ほとんど「空気」な材料、エアロゲルとその応用

エアロゲルはシリカやアルミナ、高分子、あるいは炭素系材料などからなるゲルを原料とし、超臨界乾燥法などによって溶媒を除去したものである。そのため、内部に非常に多量な空孔を有しており、孔隙率が高いものでは98%以上が空気というものも存在する。固体でありながらスカスカの構造で、ほとんど空気のような状態になっている。そのためエアロゲルは熱伝導が極端に低い、遮音性が高い、屈折率が小さいなど、従来の固体では実現できない特性を持っている。 材料としては非常に興味深い物性を示すものであるが、製品として広く浸透しているとは言い難い。その一方で、近年の熱制御需要などによって、世界的には市場が増大しつつあることも報告されている。今後どのような製品にエアロゲルが応用される可能性があるのか、国内プレイヤーはどのように取り組んでいるのかを明らかにするため、エアロゲルに関する日本国内の特許公報の分析を行った。

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米国の株式超高速取引技術の分析

現在、世界の株式市場では、超高速取引(HFT)なるものが行われている。米国市場の約5割、国内でも約4割がHFTでの取引と言われる。一部の市場において相手の注文情報を掴んだら、世界中の市場に対して、同じ注文を行う。自分がHFTを利用していれば、幾つかの地域で、相手の注文を出し抜いて利益を得ることが出来る。しかもこの操作をアルゴリズムによる自動売買で繰り返し行う。2010年の米国では、ダウ工業平均が数分間で千ドル乱高下するいわゆる「フラッシュ・クラッシュ」が起こった。原因は明らかではないが、HFTの影響が疑われている。そのためもあってか、近年では国内を含め欧米でHFTの規制が検討されるほどの社会的影響が現れている。 このHFTの技術を先行する米国における特許から解析を行った。

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13年ぶり減収のアップルに次の一手はあるか

アップルが13年ぶりの減収に陥った。売上の約65%を占めるiPhoneの販売が大幅に落ち込んだことや、iPad、Macの不振も響いた。 スマートフォン市場は引き続き拡大傾向にあるが、アップルの売上の約7割 (2015年1~3月期) を占める日米欧の先進国市場の成長は鈍化している。新興国市場の成長を取り込めるか否かが今後の成長の鍵となりそうだが、中国・シャオミなどの台頭により競争は激化している。アップルが今後も成長していくためには、既存事業においてシェアを維持・拡大し得る新技術やサービスを投入し続けるか、昨年発売したが不調が続いているAppleWatchのような新事業を成功させる必要があるだろう。 本レポートでは、アップルに今後市場投入しうる新技術があるか否かを判断する一助とするため、同社の特許出願を分析し、注力技術の変遷を振り返りつつ、主な最新の注力技術を明らかにした結果を紹介する。

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物流の混乱を防ぐには?主要輸送業の技術開発

熊本で発生した地震はその大きさや回数からこれまでにない影響を与えている。中でも必要な物資が届かない等、物流が麻痺する事象は東日本大震災においても発生し、今回の地震でも同様の問題が繰り返されている。交通網が寸断され、道路が混乱する中必要な物資を被災地に送り届けることは簡単なことではないが、人の生命を左右する重要な事柄である。また、貨物の取り扱いが増える時期には配送が混乱する等の事象も発生することから、災害時に限らず物資の輸送を効率的に行う事は重要であると考えられる。そこで、今回は主要輸送業の技術開発の概要を確認する。

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