近年、環境問題への意識の高まりから、様々な分野で脱炭素化の取り組みの1つの分類として、グリーンカーボンとブルーカーボンという考え方がある。前者は陸上の草木、後者は海の生物の光合成による炭素吸収を意味する。最近、日本ではENEOS(5020)や出光興産(5019)といった化石燃料の企業、大学やスタートアップの動きでは、関西大学と環境移送ベンチャーのイノカが、再生医療を活用したサンゴ礁の早期再生に関する共同ラボを立ち上げたように、大企業、スタートアップ、大学の動きが活発化している。ブルーカーボンに関わる生物は多岐に渡るが、本レポートでは、多面的な魅力を放つ一方で、多くが消滅の危機に瀕していたりと課題も多い「サンゴ」に関して、論文情報から研究動向を調査した。
Read More2020年公開のレポートにて、Phase2として印刷業界をピックアップして近年注力している技術領域の探索を行った。そして今回はPhase3として製紙業界をピックアップ。前々回まとめた製紙業界の現状把握を振り返ると、主要3社である王子ホールディングス(3861)・日本製紙(3863)・大王製紙(3880)において、開発技術に大きな違いは見られなかった。しかし、レンゴー(3941)は段ボールに代表される板紙関連、北越コーポレーション(3865)は洋紙関連の技術に注力しており、技術開発の差異が見られた企業もあった。そのため、今回は製紙業界において近年注力している技術領域を探索することによって、各企業における差別化要素を探索し、今後の業界の方向性を確認することとした。
ダウンロード
アメリカはサプリメント大国と言われるように、2021年の米国栄養評議会による調査では80%もの人がサプリメントを使用していることが報告されている。一方で日本でのサプリメントのような健康食品の利用率は、男性30.2%、女性38.2%である。この利用率の違いの背景としては、医療費の自己負担額の違いが一つの大きな理由であることが考えられ、アメリカは一般の初診料が日本と比較して非常に高額であるため、病気は「予防する」という健康意識から、サプリメントが日常的に用いられているようである。アメリカと日本の健康食品の特許技術に違いはあるのだろうか。2000年以降に出願された特許公報を用いて日米の特許技術について俯瞰する。
Read More従来個人の問題と認識されてきた月経による体調不良や更年期症状など女性特有の不調を、社会の課題として捉える動きが出始めている。近年になって女性の健康をサポートする施策としてフェムテックが注目を集めている。フェムテックとは「female」と「technology」を組み合わせた造語で、女性のライフステージにおける諸課題を解決できる製品やサービスを指す。このようなフェムテック市場は国内外で大きく成長している。その市場規模は、日本においては約643億、世界では2025年に5兆円に達するとの予想も出ており、国内外で事業拡大が見られている。
そこで本レポートではフェムテック市場の最近の動向を調べるべく、日本市場と米国市場での技術動向を日米の公開および登録特許公報を基に分析を行った。
Read MoreWIPO(World Intellectual Property Organization:世界知的所有件機関)に2022年に公開された全公報の分析を行った。一般に、技術の分析には、大きく分けて、基礎段階の研究については学術論文を用いた分析と、実用段階では、特許を用いた分析の2通りがある。この2つで見えてくる様相は異なることが多く、特に量子コンピュータなどの黎明期の技術については論文でこそ多くの動向が分かるが、特許ではまだその一部の活動が追える程度である。近年の政治的情勢により、米国公開の特許が世界情勢の反映されない情報源になってしまった現在、貴重な情報源であるWIPO2022年公開の特許を収集し、世界における実用化間近の技術動向を分析した。
Read MoreAI(人工知能)の進歩が目覚ましい。OpenAIが2022年11月30日に公開したチャットボットChatGPTは全世界に衝撃を与え、瞬く間に1億ユーザーを超えた。また、ChatGPTのリリースを皮切りに、OpenAIとパートナーシップを結んでいるMicrosoftによるBingへのチャット検索機能の搭載やGoogleによるAIチャットボットBardなど、汎用AIチャットボットサービスのリリースが相次いでいる。現時点でAIの実用化はどこまで進んでいるのだろうか。本稿では、ビジネスにおけるAI利用を技術面から捉えることでAI実用化の現状を把握しつつ、今後の開発の方向性について考察する。
Read More