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Interviews.

VALUENEX Inc.(以下、「VALUENEX」)では、経験豊富なオピニオンリーダーであるカーティス佐々木氏、石井正純、パトリック・キム氏をアドバイザリーボードとして迎えました。今回は、VALUENEXのアドバイザーとしての思いや、どのようなことをVALUNEXに期待しているのかをインタビュー。そのコメントをご紹介します。

 

 

Q. VALUENEXのアドバイザー依頼を受けた理由は何ですか?

 
カーティス氏

理由は二つあります。1つ目は、データは正確な意思決定を行う上で非常に重要な要素ですが、私が過去で見た限りでは、データを見て結論や提言を出すのはとても難しいことでした。VALUENEXのプラットフォームは、そのようなプロセスを以前よりずっと啓発的かつ簡単なものにしてくれます。

2つ目の理由は、「人」です。VALUENEXには、非常に優秀で経験豊富な、クリエイティブな人たちがいることを身にもって知ることができました。このような優秀な人たちと一緒に仕事をすることで、より明確に考え、努力ことができるので、VALUENEXの持つこの資産に惹かれました。

石井氏

2012年にウエルインベストメントの瀧口さんから「VALUENEXをグローバル企業に育てたい」という話を聞き資料を見てみたところ、大きな可能性を感じたので、サポートを始めました。

VALUENEXの製品には将来性があり、アルゴリズムも優秀でした。しかし当時はユーザーインターフェースが未完成だったため、その改善に協力することにしました。ユーザーインターフェイスがきちんと設計されていないと、どんなに良い製品でも広く使われることはありません。このことは、製品のアルゴリズムを開発した中心人物である中村社長も理解していました。

VALUENEXは、この製品をグローバル展開するためのマーケティングサポートを必要としていました。私は、この製品の可能性を信じて、その夢を実現させるためにサポートすることにしました。

パトリック氏

この3年間、VALUENEXと一緒にプロジェクトを進めてきたので、難しい決断ではありませんでした。

その一つ一つのプロジェクトが私にとって大きな喜びであり、VALUENEXが使っているツールのパワーと、それがお客様にもたらすサービスについて、より多くの発見をさせてくれました。また、お客様の反応を見て、その感動を共有することもできました。プロジェクトに参加することで、その感動を自分でも積み重ねることができたのです。だから、私にとっては、何の問題もないことでした。VALUENEXのアドバイザーになるのはこれまでやってきたことの延長線上にある、自然なことだったのです。

 
 
 
データは正確な意思決定を行う上で非常に重要な要素(...) VALUENEXのプラットフォームは、そのようなプロセスを以前よりずっと啓発的かつ簡単なものにしてくれます。
— カーティス氏
 

Q. VALUENEXの事業価値や将来性についてどのようにお考えですか?

 
カーティス氏

データには不足がありません。誰もがデータの見方、データの分析、データの意味を考えるような社会になってきたため、データ分析は会社の明るい未来につながると思います。AIや機械学習が例外ではなく、当たり前になりつつある今日、会社が成長するための好機はさらに広がっています。

 
 
石井氏

VALUENEXは日本ではすでに上場していますが、まだまだ伸びしろがあると思っています。例えば、VALUENEXは今までの延長線上を走るだけではなく、様々なサービスやソリューションを展開することができます。また、グローバル展開を行うことも可能です。そういう意味では、まだまだ伸びしろがあるので、VALUENEXと一緒に働き、この目標に向かって頑張っていきたいです。

 
 
パトリック氏

今の時代は誰もがAIについて語ったりします。私がVALUENEXに惹かれたのは、Jiyoungさん(※VALUENEX Inc. COO)がアムステルダムのカンファレンスで講演を行った時です。元経営者である私にとって関連性があり重要な講演でした。私は、多くの情報をシンプルに、自然に感じられる方法でアクセスする、さらにその情報を素早く、直感的に操作できることが必要でした。VALUENEX Radarは、私にとってゲーム感覚であり、マップを探索してナゲットを発見するというゲーミフィケーションの側面も、普段のデータ分析はドライなものであるだけに、お客様にもワクワク感を味わっていただけるのではないかと思っています。AIが使える時代になってきましたが、研究者の多くはまだまだ文献をいろいろなコンテンツカタログで調べて、たくさん読まなければなりません。VALUENEXが提供するビジュアルツールはそのような方々の役に立てるのではないかと思っています。

 
 
 
私たちがお客様と一緒に仕事をする形式は、チームとして新しい交流の仕方を開発する余地があると思います。私たちは、彼らの拡張版チームの一員になることができるのです。
— パトリック・キム
 

Q. VALUENEXの強みは何だと思いますか?

 
カーティス氏

会社の強さというのは、すべて「人」によるものだと自分は思います。VALUENEXには、非常に素晴らしいエンジニアリングをするエキスパートと、会社のビジョンを実行しよう熱心な人たちがいることを、私はこれまで見てきました。それが強みだと思います。

石井氏

まず目につくのは、中村さんの強烈な情熱です。自分が開発したプラットフォームを広めて、社会に貢献したいという情熱を持っています。ただ上場して儲かればいいというのではなく、永続的な情熱を常に育んでいる。情熱を持続させるのは難しいことです。しかし、中村さんはそれをやっている。その燃えるような情熱に、私は一番関心しています。また、鮫島さん(※VALUENEX Japan CFO)やJiyoungさんなど、中村さんの情熱に惹かれて入社したメンバーが多いことも、私たちの強みのひとつだと思います。

 
 
パトリック氏

お客様のイノベーション・チームとより多く交流できるようになることだと思います。私たちは、もちろんお客様の専門家の代わりにはなれません。彼らは豊富な経験を持っていますが、その経験ゆえに限界があるかもしれません。その専門性が、ある意味で弱点にもなるのです。よりインタラクティブに彼らと仕事をすることで、彼らのこれまでの仕事に基づく思い込みを取り除き、弱点を克服する手助けをすることができます。良いプロジェクトを行うための大きな鍵は、適切な検索手段を開発することです。そのためには、お客様からの事前のインプットも必要ですが、お客様が見ていないものは何か、その理由を自問自答し、それがどのように合致するのかを確認することも必要かもしれません。私たちがお客様と一緒に仕事をする形式は、チームとして新しい交流の仕方を開発する余地があると思います。私たちは、彼らの拡張版チームの一員になることができるのです。

 

Q. VALUENXの課題は何だと思いますか?

 
カーティス氏

VALUENEXの最大の課題は、グローバルマーケットで注目を浴びることだと思います。VALUENEXのプラットフォームが他社にもたらす真の価値を明確にすることが大事になってきます。VALUENEXが持っているものを理解するのは最初は難しいかも知れませんが、一度見て、体験して、データを可視化することができれば、最終的には理解してもらえると思います。手間はかかりますが、忍耐強く、VALUENEXの存在を知ってもらうことで、VALUENEXが企業に出向くのではなく、VALUENEXに人が集まってくるようになると思います。この点は、会社を大きくしていく上で必要不可欠なことだと思います。

 
 
石井氏

どんな企業でもその成長過程を見てみると、起業したときと、成長したときとでは、事業内容が変わっていることがわかります。企業は常に脱皮し、成長していくものですから、過去にとらわれないことが大切です。しかし、成功するためには資金が必要です。必要に応じて資金を調達し、それを有効的に使って成長していきたいと考えています。

 
 
パトリック氏

予測不可能な社会になってきたこの時代では大企業の企画部門の多くは少し保守的になってきています。ある程度成功の可能性を感じるまでは、新しい方向性には手を出したくないというのが本音でしょう。しかし。不確実性が高いからこそ、わからないことにもっと向き合わなければならない時期に来ているのです。他社は「未知」を抱こうとしません。しかし、未知とは、エキサイティングなことで、お客さんに 「あなたの未知な世界を売ってあげますよ」と言うことができます。これは難しい心がけではあります。大きな課題は、VALUENEXを試してみようという適切な幹部、意思決定者を他社で見つけることです。新しい世代のリーダーを見つけ、彼らにとって魅力的なプラットフォームにすることで、彼らが誤った意思決定をするリスクを回避する必要があるのです。

 

Q. 短期的・中期的・長期的にVALUENEXは何をすべきなのか?

 
カーティス氏

短期的な目標は、日本国外での注目度を増やすことです。例えば、Googleで可視化技術を検索したときに、VALUENEXは日本以外のどこに表示されるのか

カスタマー紹介として使えるお客様を増やすことが、短中期的な目標になります。

長期的には、巨大な営業部隊を持たず、莫大な費用をかけずに、いかに多くの地域をカバーするか、そして、お客様を支持者にするかが終点になってくると思います。

石井氏

まず、利益を出すための条件を整えることです。アメリカの投資家は、企業の将来価値を見る目が日本よりずっと優れています。それは私にとってとてもありがたいことです。ですから、現在の数字だけでなく、将来的にVALUENEXが提供できる価値を投資家に理解してもらわなければなりません。どうすれば理解してもらえるか?そこが課題になってくると思います。

パトリック氏

短期的な目標は、一部の既存顧客との関係を深め、密接に連携していくことです。中期的には、イマジネーションを持った人たちを巻き込んでいくことです。想像力と分析力を合わせれば、いい強みになると思います。

50年後は、技術発展のペースというものはとんでもなく早くなっているでしょう。もしかしたら、マウスやスクリーンといった典型的なインターフェースを取り払って、レーダー上でナビゲーションを行い、より立体的な3Dな感覚を得ることができるようになるかもしれないと想像しています。

 
 
新しい世代のリーダーを見つけ、彼らにとって魅力的なプラットフォームにすることで、彼らが誤った意思決定をするリスクを回避する必要があるのです。
— パトリック氏