分析レポート

VALUENEXの解析ツールを使って、当社が独自に分析している様々なレポートをお届けします。ぜひご活用ください。  

 

2017.08.16

+ 台風・ゲリラ豪雨…防災をはじめとする気象に関する国内研究開発動向

近年、日本国内でゲリラ豪雨や台風の被害が多くなっている。直近では2017年7月には九州北部豪雨で多くの被害があっただけでなく、過去にも豪雨・台風などを原因とする多くの災害を経験している。気象庁発表の統計(1)によると1時間降水量50mm以上の発生回数は2016年で257回となり、迅速な降雨量の予測などの技術は防災面で重要な課題と考えられる。 今回は公開された気象学に関連する特許を収集し、研究開発動向について特許俯瞰ツールTechRadarを用いて調査を行っていく。 1 アメダスで見た短時間強雨発生回数の長期変化について


2017.08.02

+ 世界的な課題に挑む環境技術 プラスチック廃棄物処理の技術開発動向

米ジョージア大学の研究チームの推計によると、1950年以降に世界で約63億トンのプラスチックごみが発生したという。この期間のプラスチック製品の製造は約83億トンであり、その約4分の3が、ごみとして廃棄されている。膨大なプラスチックごみの発生は世界的に問題となっている。一方、日本では廃プラスチックの利用率が8割を超える。この理由としては、リサイクル意識の高まりのほか、日本のプラスチック廃棄物の処理技術の高さがあると考えられる。世界的な問題に日本の技術が貢献できる可能性が想定される。
 そこで、日本のプラスチック処理技術の技術開発動向を知るため、本レポートでは、プラスチック廃棄物の処理に関連する日本国公開特許公報を収集し、弊社の提供する特許解析ツール TechRadar Vision (テックレーダービジョン)により俯瞰レーダーを作成し、分析する。


2017.07.26.

+ 廃熱駆動熱音響技術を利用した大型インフラ用センサ向

熱音響技術は、エンジンの廃熱などの熱源から空気などの媒質の温度差を生じさせ、媒質の振動運動すなわち音響現象を導く技術である。この音響現象である運動エネルギーから電気エネルギーなどに変換することにより、廃熱からの有効なエネルギー回収装置となる。更には、発生した音響を蓄熱器に通し、蓄熱器の一方の熱を奪うことにより冷却装置としても利用可能である。 この熱音響現象は、古くは、日本では岡山市吉備津神社の「鳴釜神事」、欧州でもパイプオルガン修理の際にパイプが音を出す現象として知られていた。この現象が、近年、可動部がないため故障が少なく、かつ廃熱からエネルギーを取り出す技術へと発展して注目を浴び始めている。 本レポートでは、この熱音響の技術について、最近の動向を調査すべく、国内で公開された特許公報を元に分析を行った。分析には、VALUENEX株式会社が提供するテキストマイニングによる俯瞰ツールTechRadarを用いた


2017.07.19.

+ 次世代労働力、産業用ロボット技術に関する動向分析

少子化・高齢化が叫ばれて久しい日本の人口動態だが、出生率回復のための施策に出遅れ、近年は人口減少社会のフェーズに踏み入っている。  この様な現状にあって将来的には労働力人口の減少による経済停滞が想定されるが、一方で、ロボットによる労働力の代替が経済停滞に対する緩衝の役割を果たすとの見方もある。  そこで、日本における産業用ロボットに関する今後を占うべく、同技術動向について分析する。


2017.07.12.

+ 車載モーターで売上高4兆円を狙う日本電産と 次の買収先選択肢

日本電産(6594)は先月16日、重点分野である車載モーターの売上高を2030年度に「(16年度比15倍の)4兆円に拡大する」との見方を発表した。2010年3月に「車載用モーターで必ず世界一になる。断トツのシェアをとる」と宣言してから7年、同社は着実に車載モーターの売上高を伸ばしてきたとみられるが、2030年度には現状の15倍の圧倒的な拡大が必要となる。本レポートでは、まずその原動力となる同社の車載モーターへの技術開発の注力状況を明らかにする。その上で、これまで買収により事業を拡大・強化してきた同社にとっての車載分野の次の買収先を占うべく、当社の提供する特許俯瞰解析ツールTechRadarによる分析結果を紹介する。


2017.07.05.

+ 日本における中国由来の技術に関する動向分析

先日、中国企業の華為技術(ファーウェイ)が日本国内に工場の建設を行うと発表をした。中国製品は以前より日本国内で販売されているが、意外なことに本格的な工場建設は今回が初との事である。製品の製造・販売において、その販売先国や製造国の法律は順守する必要があり、他社の特許を侵害しない、ということも同様である。このため、今回は日本において、中国に由来していると想定される特許出願の動向を分析する。


2017.06.28.

+ 村田製作所・TDK 特許ポートフォリオから業績についての言及可能性

日本を代表する電子部品メーカーである村田製作所(6981)とTDK(6762)は、両者ともにスマートフォンに代表される情報通信技術市場をメインとするも、業績には大きな差が出てきている(表1.)。過去の特許ポートフォリオを分析することから業績についての言及可能性を探る。


2017.06.21.

+ 生体分子・細胞計測技術の俯瞰的な解析から 次のビジネスチャンスを探る

ジョンズ・ホプキンス大学シドニーキンメルがんセンターのCristian TomasettiとBert Vogelsteinらによって、2017年3月23日にScience誌に発表された論文が大きな話題を呼んでいる。その内容は、がんを引き起こす変異の実のうち3分の2近くの細胞がDNAをコピーする際に起きたエラーが原因であることが、数学モデルから示唆されたというものだ。この研究のNature誌の解説(23 March 2017オンライン版記事, Heidi Ledford)によると、32種類のがんについての計算の結果、がんのドライバー変異のうち、66%がDNA複製の際のランダムなエラーによるもので、環境要因による変異は29%に過ぎず、遺伝性の変異に至っては、5%のみであるという。Vogelstein氏はNature誌の取材に対し、「(DNA複製のランダムなエラーという偶発性の要因、つまり防ぐことが難しい要因の割合が、対処可能な要因である環境要因の割合の2倍強にのぼることから)予防に加え、早期発見や治療が、がんと戦う上での重要なポイントになる」という趣旨の説明をしている。 早期発見は、がんの進行を抑制し、効果的な治療を行う上で不可欠なものである。そして、医療費抑制の観点でも、早期発見に対する社会的な要望は高い。例えば、線虫による尿検体を使ったがん検査に関する九州大学の研究成果が大きなニュースとなったことは記憶に新しい。がんに限らず、様々な疾患の早期診断に役立つ高感度で簡便、かつ安価な検査・分析システムは、大きな市場を形成しうるため、ビジネスチャンスとなるに違いない。 そこで、本レポートでは、こうした早期診断に寄与する生体分子・細胞の測定技術に焦点を当て、現在、主にどのような技術分野が存在するのか改めて整理するとともに、最近注目されている新しい技術・アプリケーションと開発企業について簡単に紹介する。。


2017.06.15.

+ Intellectual Ventures(インテレクチュアル・ベンチャーズ)の特許ポートフォリオ分析および自動車メーカーが注意すべき技術領域の把握

2017年5月1日、日本の自動車業界に激震が走った。トヨタやホンダ等を含む日独の自動車関連メーカーに対して、米国企業の特許を侵害しているとして、米国際貿易委員会(ITC)が調査を開始した。訴訟を起こしたのはIntellectual Ventures(以下「IV」)である。IVはNPEs(Non-Practicing Entity:特許不実施主体)であり、一種のパテント・トロールだと捉えられている(NPEs=パテント・トロールではない)。
 今回の事象を一度整理すると、日独の自動車メーカーに侵害されたと主張しているIVの特許は、米国のメーカー(Encap)が保有していたモーター関連の特許である。これらをIVが買収し、訴訟を起こしている状況である。これについて、「自動車産業はパテント・トロールの残されたラスト・リゾート」という論考もあり[1]、その通りであろう。しかし、それだけでは、今回、米国の自動車関連メーカーを訴えない理由が見当たらない。そこで、米国の政権交代というタイミングも踏まえると、また違った見方ができる。この一連の事象は、IVの新しいイメージ戦略という意味もあるのではないだろうか。トランプ新大統領はアメリカ・ファーストを宣言し、製造業の米国回帰や米国人の雇用創出を公約としている。またパテント・トロールに厳しかったアンチパテント派のオバマ前大統領と比較し、トランプ大統領はプロパテント派であるという見方が強い。このような背景情報を鑑みると、日本やドイツ等の海外メーカーから、米国のメーカーを守るというIVの新しい姿が浮かび上がってくる。このように、新しい米国政権に対して、これまでのパテント・トロールという悪いイメージではなく、米国製造業を守るという良いイメージを持ってもらうための戦略にも見える。この一件で、今後の米国における知財政策やIVの動向は、ますます目が離せなくなった。これは日本にとって、今後大きな影響を与える重大な変化の兆しではないだろうか。  そこで、IVの動向を把握し、訴訟リスクについて予測することは重要になってくる。しかし、IVの実体を正確に掴み、動向調査することは非常に難しい。なぜならば、IV関連企業は数多く存在し、更にはその中で権利譲渡を繰り返しているからである。そこで本レポートでは、得られるIVや自動車メーカーの特許データを俯瞰することで、IVの特許ポートフォリオや自動車メーカーが注意すべき技術領域等を明らかにする。なお、これらの大量の特許データを分析する際は、VALUENEX株式会社が提供するDocRadarやTechRadar Visionを用いた。


2017.06.12

+ 全文閲覧可【学術論文分析】脳と機械のインタラクションに関する研究開発の現状

考えるだけで機械を操作したり、脳とコンピュータの間で直接情報を授受できるとすれば、これは人間にとって究極のインターフェースとなるであろう。このような技術はブレイン・マシン(コンピュータ)・インターフェース(BMI/BCI、以下BMIと称する)と呼ばれている。
 BMIに関しては、車いすの制御や体の不自由な方の意思伝達など、一部の特殊な用途においてすでに実用化が進められているが、ここ数年、さらなる高度化や民生利用につながる動きが出始めている。例えば海外では米国防高等研究計画局(DARPA)が2016年1月に「Bridging the Bio-Electronic Divide」と題し、脳とデジタルワールドの間で前例のない信号分解能およびデータ転送帯域幅を持つインプランタブルな神経インターフェースの開発プログラム構想を発表した。また日本でも内閣府が行う革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)において、「脳情報の可視化と制御による活力溢れる生活の実現」と題し、平成26年度から脳情報の可視化と制御技術の開発を進めている。そのほか、テスラモータのCEOとして知られるイーロン・マスク氏がNeuralinkという神経系UI技術を開発する会社を設立するなどの動きも見られる。
 BMI研究の歴史は古く、その始まりは1970年代とされている。実際にエルゼビア出版が運営する学術文献データベース「Scopus」でBrain Machine Interfaceを検索すると、1985年には既にこのキーフレーズをタイトルに含む論文が登場している。その後しばらくの期間、BMIに関する論文数は年間で数~数十件程度にとどまり、必ずしも研究が活性であるとは言い難い状況が続いていた(Fig.1)。その後、2003年頃を境に論文数は増加の一途を辿り、現在では年間1,000件以上の報告がある。
 注目が高まるBMIであるが、実際の研究開発がどのようになっているかを知る上では、学術文献レベルでの動向を把握することが一つの方策である。そこで、BMIに係る学術文献をリソースとし、クラスター解析を用いた俯瞰解析を試みた。学術文献の収集には学術文献データベースScopusを利用した。収集対象は、brainと1ワード以内でmachine interfaceあるいはinteraction、computer interfaceあるいはinteractionがタイトル、要約、キーワードのいずれかで共起する2001年以降発表の査読付き雑誌および会議録とした。該当する論文数は約11,000件であった。