2017.06.07.

+ 新規技術開発の最前線、 産業技術総合研究所の技術開発動向推移

国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研という)は、2001年に工業技術院および全国15研究所群を統合再編し設立された研究機関であり、カーボンナノチューブの発見者である飯島澄夫氏や、PAN系炭素繊維の発明者である進藤昭男氏など多くの著名な研究者が在籍している研究機関である。
 産総研では東京、つくば、福島、臨海副都心、北海道、東北、中部、関西、中国、四国、九州の拠点で、エネルギー・環境、生命工学、情報・人間工学、材料・化学、エレクトロニクス・製造、地質調査、計量標準のテーマで企業・大学とともに最先端の研究開発を行っている。
 今回は公開された産総研の特許を収集し、研究開発動向について特許俯瞰ツールTechRadarを用いて調査を行った。


2017.05.31.

+ 自動車業界の最新技術を支える 画像認識の国内プレイヤー動向分析

画像認識に関する技術は、自動車において欠かせないものと成りつつある。新興自動車メーカーのテスラ社は、完全自動運転を目指すにあたり、当面はカメラを主軸にしたセンサー構成にすると発表している。それを支えるのが、画像認識技術である。一方、テスラ社の自動車による運転支援下での死亡事故が起きており、テスラ社は、その原因を画像認識の失敗によるものだとしている。画像認識は自動運転以外に、ドライバーの状態検知や、駐車支援といった安全技術に使われており、その性能の良し悪しが、直接、人命にかかわる技術であると考えられる。
 2016年10月にデンソー(6902)と東芝(6502)が、高水準な画像認識技術を実現するため、そのAIの共同開発を行うことを発表した。そのように、画像認識技術は自動車業界の動向を捉えるうえで外すことが出来ない技術である。そこで、VALUENEXが提供する知財ビックデータ分析ソリューション TechRadarを用いて、自動車に関わる画像認識技術の国内プレイヤーの概況を捉えるべく、日本国公開特許公報による分析を行っていく。


2017.05.24.

+ 手触りを伝達・生成して現実感を向上する 触覚出力インターフェイスの技術開発動向

スマートフォンやゲーム機器、更にはバーチャルリアリティにおいて、触覚フィードバック(ハプティクス)の技術が注目されている。例えば任天堂(7974)が2017年3月に発売した新型ゲーム機器では、コントローラに触覚フィードバック機能があることが話題となっている。
 触覚フィードバックにおいては、利用者に対してどのように触覚を出力するかが技術上のカギとなる。このための触覚出力インターフェイスの技術開発動向はどのようになっているであろうか。本レポートでは、触覚出力インターフェイスに関連する日本国公開特許公報を収集し、弊社の提供する特許解析ツール TechRadar Vision (テックレーダービジョン)により俯瞰レーダーを作成し、分析する。


2017.05.17.

+ Graphene(グラフェン)の実用化競争の行く末は?

Graphene(グラフェン)とは炭素同位体の一種であり、ハチの巣上に敷き詰められた炭素原子一個分の厚みのシートである。鉄鋼の200倍の強度、シリコンの100倍の電気伝導性、光学的特性、熱学的特性等の特徴から期待される夢の材料の一つだ。2010年にマンチェスター大学のAndre Geim と Konstantin Novoselovがノーベル賞を受賞したことから世間に知られるようになった。その存在は古くから知られていたものの、抽出方法が確立されていなかったが、偶然にもセロハンテープではがして得ることができ応用開発への道がひらけた。応用分野として期待されているのは、太陽光パネル、LED、タッチパネルなどである。


2017.05.10.

+ 経済発展著しいシンガポールの各国企業別特許分析

シンガポールは、1965年のマレーシアからの独立当時、貧困にあえいでいた。それが近年では、外国の優れた企業、労働者を積極的に登用し、今やアジア経済発展の中心の一つを担うほどに急激な成長を果たした。欧米や、日本の企業も多数、シンガポールに参入してきた。2011年には、特許件数の急激な増加があり、その前後でのこれら各国企業の動向に関心がもたれる。
 そこで、これら外国企業と、国内勢のシンガポール内での動向を調査すべく、シンガポールに出願された近年の公開特許を元に分析を行った。分析には、VALUENEX株式会社が提供するテキストマイニングによる俯瞰ツールXLUS DocRadarを用いた。


2017.04.26.

+ 大容量化を目指すリチウムイオン電池 ーシリコン負極によるアプローチ

リチウムイオン電池はスマートフォンやタブレット端末などの電子機器や、電気を動力源とするHEV、EVなどの自動車、さらには家庭用蓄電システムなど、様々な用途に広く利用されており、既に我々の生活には欠かせないものとなっている。
 一方、リチウムイオン電池産業は、かつては日本企業がリードしていたが、近年では韓国系や中国系の企業に市場を奪われつつあり、日本企業は厳しい競争を強いられている。その一つの表れがリチウムイオン電池をけん引してきたソニーの撤退である。今後リチウムイオン電池市場において競争力を得るには、さらなる高性能化や低コスト化が必要となる。とくに自動車や家庭用蓄電システムなど、大型電池が重要なマーケットになるとすると、大容量化は必須の課題となると考えられる。
 リチウムイオン電池の大容量化の一つの方法が、負極にシリコンやスズなどの合金系材料を利用することである。リチウムイオン電池負極として広く利用されている黒鉛の場合、リチウムは理論上LiC6(約370mAh/g)で吸蔵される。
 これに対し、シリコンの場合は理論的にはLi4.4Si(約4200mAh/g)と、約10倍の容量が得られることとなる。ただし充放電にともなう構造劣化などによりサイクル寿命が短くなるといった問題点もあり、その開発動向が注目される。そこで、ここでは日本国特許公開公報をリソースとしてクラスター解析を行うことで、リチウムイオン電池におけるシリコン系負極の開発動向およびプレイヤーの分析を行った。


2017.04.19.

+ FINTECH等金融に関連した技術開発の動向

近年、FINTECHといわれている金融に対するIT技術の利用が進んでいる。IT技術自体は広く金融機関でも利用されており、例えばATMやオンラインバンキング、ネット証券等もITの技術を利用しなければ成立しないサービスであるといえる。一方で、ITの利用がさらに進展した場合、金融機関による技術開発や、関連技術を持つベンダーとの連携促進などが想像される。そこで、今回は特に金融に関連した技術開発動向の分析を行った。


2017.04.12.

+ 日本精工と出資先の電動車いすベンチャーWHILLは何を目指すか

日本精工(6471)は今月4日、電動車いすをはじめとしてパーソナルモビリティを手がけるベンチャーであるWHILL, Inc(以下、WHILL)との資本提携を発表した。介護福祉用途や、より自由で安全・快適な移動手段の需要増大が見込まれる中、WHILLは誰もが乗りたがるモビリティを実現すべく、新しいパーソナルモビリティの開発に取り組んでいる。日本精工はWHILLの企業方針に賛同し、出資を通じてWHILLを支援する。両社は、日本精工の「要素部品技術やメカトロ技術」と、WHILLの「モビリティ開発技術」を融合し、パーソナルモビリティの創出と普及に向けて連携を図っていくようである。
 さて、その連携の第一弾として、WHILLのパーソナルモビリティの特長の1つであるオムニホイールに対し日本精工は軸受を提供していく。また、それとともにユーザーにとってより便利で魅力的な機能を両社で実現していくとしているが、どのような機能の実現を目指すのかはプレスリリースでは明らかにされていない。そこで本レポートでは、軸受を中心として長年技術開発を行ってきた日本精工と車椅子分野のこれまでの技術開発の蓄積を、特許俯瞰解析ツールTechRadarにより解析・可視化することを通じて、WHILLがどのようなパーソナルモビリティを実現しうるか、また両社の提携の今後について探った結果を紹介する。


2017.04.06.

+ 【学術論文分析】自動車内装およびHMI研究開発とその動向

自動車を取り巻くが大きく変化している。自動車が誕生したのは今から200年以上前の1769年とされており、最初は蒸気機関で動くものであった。その後、1800年代終盤にガソリンエンジン車が発明され、1900年代になると自動車の量産化が進められた。そして近年ではハイブリッド自動車や燃料電池自動車、電気自動車などといったパワートレインの多様化による環境負荷低減、さらには高度交通管制システム(ITS)や車車間通信、コネクテッドカーなど、外部との情報の授受に係る技術の高度化も進んでいる。また高度運転支援システム(ADAS)や自動運転技術によって、自動車の制御が人の手を離れようとしている。
 このような自動車の変革は、ユーザーにとって特に身近な自動車内装および自動車とドライバーのインターフェース(以下、内装とする)にも影響を与えるものと考えられる。自動車内装に関してはデザイン的な要素も多いが、技術的に進化すべき点も多いものと考えられる。そこで、技術的な観点から自動車内装に対し、どのような研究開発がなされており、それがどのように変化してきたかを知るために、学術文献をリソースとした分析を試みた。
 自動車内装に係る学術文献の収集にはエルゼビア出版の学術文献データベースScopusを利用した。収集対象としては、タイトル、要約あるいはキーワード中に自動車に係るキーワードを含み、かつ内装やキャビンなどのキーワードが共起するものに加え、ドライバーや人とインターフェース、インタラクションやコミュニケーション、HMI、人間工学などが共起するものとした。収集対象は2001年以降に発表された英語で記載されたArticleおよびConference Paperとした。該当する論文数は概ね8000件であった。


2017.04.06.

+ 【学術論文分析】水素社会に向けた研究開発動向の俯瞰- II.水素貯蔵

クリーンなエネルギー源として注目されている水素であるが、その実用化に関してはいくつかの課題が存在する。ひとつは水素が単独では天然にほとんど存在しないため、何らかの手段で製造する必要があることであり、これに関しては前回のレポート(8/16号)にて研究動向の概要を示した。もう一つの課題が取り扱いの難しさであり、爆発限界の広さやガス透過性の高さ、鋼材に対する水素脆性などが課題となる。すなわち、どのように水素を大量かつ安全に貯蔵するかである。そこで、本レポートでは水素貯蔵にフォーカスし、学術文献情報を用いて研究開発動向を俯瞰した。
 水素貯蔵に関連する論文の収集にはエルゼビア出版の学術文献データベースScopusを利用した。収集対象としては、タイトル、要約あるいはキーワード中、「hydrogen」と「storag」あるいは「reserv」が2ワード以内に登場する、2001年以降に発表された英語で記載された査読付き雑誌(Article)とした。該当する論文数は概ね11,300件であった。