分析レポート

VALUENEXの解析ツールを使って、当社が独自に分析している様々なレポートをお届けします。ぜひご活用ください。  

 

2017.02.15.

+ 自動車に関連した共同開発に関する現状分析

先日、本田技研工業(7267)は日立製作所(6501)の子会社である日立オートモーティブシステムズとモーターの合弁会社を設立すると発表した。ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車はいずれも動力に従来の内燃機関ではなくモーターを使用するため、これに対応した動きだと考えられる。この事例はあくまでも製品・部品の製造に関しての事であるが、先に示した通り、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車は従来の自動車とは構成が大きく異なるため、開発すべき技術要素も異なると考えられる。そこで、今回は自動車会社が最近どのような技術分野においてどのような共同開発を行っているのか、分析を試みた。


2017.02.08.

+ Googleの知財戦略の本質をみた

先週末、米国カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogle本社を訪れて知財部門の責任ある立場の方と打ち合わせを行ってきた。当地では珍しい季節外れの小雨が舞っていたが、Google本社は活気に満ちあふれていた。
 まずは当方が用意していたGoogleが米国に出願した全特許公開公報の俯瞰図である。この俯瞰図は、ValuenexのTechRadarを用いており、文献間の類似性を距離に変換して、一枚の図上のすべての特許を描画してゆく手法である。密集している領域には、多数の類似特許が存在し、疎な領域には特許が存在していないことを基本に、企業の研究開発戦略、特許戦略を読み解くことが可能である。
 まずGoogleには全社的なポートフォーリオは、存在しないことが推測された。これを知財責任者に尋ねると、Googleには多くの事業があるのだから、特許分布がばらついているのだと回答された。また、Googleは特許を用いて他社を攻める事はあまり考えていないが、攻められた時の準備はしているとのことである。すなわち、かなり消極的な知財戦略を有しているのである。


2017.02.01.

+ 進化し続ける量子ドットの技術開発動向

016年末、サムスンのQD Vision買収に関する噂を認めたという報道がなされた [1]。QD Visionは量子ドットディスプレイにおいて、世界でリードする企業の1つである。2013年にはソニー(6758)がQD Visionの量子ドット技術を用いた液晶テレビを発売したことでも話題になった。その量子ドットとは、直径が数nm~数十nmの半導体微粒子であり、波長変換機能を有し、鋭い発光ピークを実現する。粒子サイズを調整することで、変更後の波長を制御することが可能である。現在では、特にディスプレイ応用に注目されており、例えば、液晶ディスプレイのバックライトに活用することで、広色域と省電力を両立することができる。また、液晶ディスプレイ製造過程への組み込みも比較的容易であることもあって、有機ELディスプレイと熾烈な競争を繰り広げている。このように、応用分野としてディスプレイ領域という巨大市場を得た量子ドットは、要素・応用技術ともにますます活発に開発されていくことが期待される。そこで本レポートでは、量子ドットに関する1. 主な技術領域と動向、2. 主要プレイヤーの動向を明らかにする。なお、VALUENX株式会社が提供するTechRadar Visionを用いて、日本公開公報データをもとに分析を行った。


2017.01.25.

+ 事業再編を目指す東芝 メディカル、白物家電事業売却後の基盤技術は

国内大手メーカである東芝(6502)が今、岐路に立たされている。2015年の不正会計の発覚に端を発し、2016年3月にはメディカル事業をキヤノン(7751)に売却し、同年6月には白物家電事業を台湾の美的集団に売却し事業の再編に乗り出した。しかし同年12月には原子力事業での数千億円規模の損失が発生することが発覚し、2017年はさらなる事業再編が必要となっている。
 そこで今回は東芝の公開特許のうち現在も権利を持つ特許を収集し、特許俯瞰ツールTechRadarを用いて東芝の保有技術について調査を行っていく。


2017.01.18.

+ 第一次産業における技術開発の全体像及び、 スマート農業・植物工場を代表とする最新技術とは

人が生きていくうえで、絶対に欠かせない産業が、農業・畜産・水産などの第一次産業である。そのほとんどが重労働で収益性が低く、また華やかなイメージに欠け、少子高齢化や過疎化現象も影響し、担い手が不足している。そうした問題を解決できる技術として、植物工場や、スマート農業などが一時期話題になった。しかし、近年話題になる最新技術は、自動運転や、人工知能、映像技術などである。
 将来的には、自動運転や人工知能も、第一次産業とは決して無縁ではないが、日本の食料自給率が先進国の中で最低水準にあり、世界人口が増大し、さらには地球温暖化が迫るなか、食料問題を解決するような第一次産業の技術革新が急ぎ望まれている。
 そこで、第一次産業に関連する国際特許分類A01系が付与されている特許文献を分析し、近年、どのような最新技術が存在しているのか、また、それらを開発している企業を明らかにする。


2017.01.11.

+ 自動運転車の安全性を高められるか? LIDARの技術開発動向

自動運転車にとって、周囲の状況を把握する「目」は重要なパーツとなる。「目」の役割を果たす技術には、カメラ、超音波センサ、レーダー、LIDAR(ライダー)が挙げられる。このうち、LIDARは光検出により距離を測定する技術であり細かな物体の検出も可能だが、コストが高く、装置が大きいという欠点が指摘されていた。こうしたLIDARの欠点や、他の技術の性能向上により、例えばテスラモーターズは自社の自動運転車にLIDARを不要であるとして搭載しない方針を貫いている。
 一方で、自動運転車の事故の事例が報じられ、自動運転車の安全性が要請される中で、自動運転車はより多くの「目」を持つことで安全性を高められるとの指摘も聞かれる。これは、各技術の異なる強みを活かして相補的に利用すべきだという考えによる。LIDARの欠点を克服し自動運転車に搭載する動きも見られる。インフィニオンテクノロジーズは、2016年に買収したInnoluce社のMEMSミラー技術を利用した小型のLIDARを発表した。これによりLIDARの自動運転車への搭載がより広まる可能性があると報じられている。
 必要性について議論の分かれるLIDARであるが、今後、自動運転車にとって不可欠なパーツとなるであろうか。また、日本企業はLIDARの開発にどのように関わっているであろうか。LIDARに関連する日本国公開特許公報を収集し、弊社の提供する特許解析ツール TechRadar Vision (テックレーダービジョン)により俯瞰レーダーを作成し、分析する。


2016.12.28.

+ 実用化が近づく水素エネルギーの貯蔵技術

水素は燃焼することで水しか出ないクリーンなエネルギーであり、燃料電池による電力供給やモビリティへの応用などが進められている。また再生可能エネルギーや太陽熱を利用した水分解等による水素製造なども検討されており、エネルギー貯蔵手段としても注目されている。例えば本年12月に東芝(6502)は自立型水素エネルギー供給システムを東北電力から受注したことを発表している。これは太陽光発電、水電解、水素貯蔵、燃料電池、蓄電池および管理システムからなるものであり、太陽光発電や従来の発電における余剰電力を水の電気分解によって水素に変換することで電気エネルギーを貯蔵、必要に応じて燃料電池で発電して利用するものである。近年市販化された燃料電池自動車をはじめ、水素エネルギーの実用化が近づいてきている感がある。 一方で、水素は爆発限界が広く、物質に対する透過性、金属材料の脆化など、貯蔵が困難な物質である。そのため、とくにエネルギー貯蔵のような目的には水素を如何に安全、安定かつ大量に貯めるかが重要となる。そこで水素貯蔵に関する技術を、日本国公開特許公報を元に分析した。


2016.12.21.

+ 欧州のIT先進国 エストニアの技術動向分析

日本におけるエストニア共和国の知名度は必ずしも高くないかも知れない。人口わずか134万人の欧州の小国ではあるが、インターネット電話サービスのSkypeを生み出したのが、エストニアである。2007年に世界初のインターネットによる議会選挙の電子投票を行ったのもエストニアである。同年に、世界初の大規模なサイバー攻撃を受けたのもエストニアで、翌年にNATOサイバー防衛協力センターがエストニアの首都タリンに創設されている。 近年IT立国として成長著しいエストニアであるが、1991年の独立当時は国民の半数以下しか電話の利用できない情報弱国であった。その国がSkypeを生み出したのである。この急激な成長を生み出したエストニアの技術を特許から分析を行った。分析には、VALUENEX株式会社が提供するテキストマイニングによる俯瞰ツールXLUS DocRadarを用いた。


2016.12.14.

+ TDKによるインベンセンス買収における技術シナジー

12月9日、TDK(6762)が米インベンセンス社への買収提案を行ったとの報道がなされた。TDKは週が明けた12日に、現時点で決定した事実はないと発表した一方、センサ事業を戦略成長製品として位置づけ、その拡充のためにあらゆる選択肢を検討しているとし、買収提案について否定しなかった。 インベンセンス社はジャイロセンサや加速度センサなどの複数のセンサを統合したソリューションを提供しており、TDKが手がけていない製品分野の強化が見込まれるとの報道もある。本レポートでは、両社の特許情報を弊社の提供する特許俯瞰解析ツールTechRadarにより解析し、TDKがインベンセンス社を買収した際に実現する技術領域の補完関係と技術シナジーについて考察した結果を紹介する。


2016.12.07.

+ 半導体製造に欠かせない超純水

今日、大量に使用されている半導体は、その製造工程において洗浄が必要となる。この洗浄工程では、不純物がほとんどない超純水が使用されている。過去には洗浄効果が高い有機溶媒が使用されていたこともあったが、環境負荷の問題等から超純水が使用されるようになった。半導体の使用は今後も拡大を続けると考えられることから、超純水の使用は今後も増加していくものと考えられる。また、単なる水である事から、環境負荷が低い、安全性が高いことは明らかであり、使いやすい材料の一つといえる。そこで、今回は超純水に関する技術開発動向の分析を行った。