分析レポート

VALUENEXの解析ツールを使って、当社が独自に分析している様々なレポートをお届けします。ぜひご活用ください。   

 

2016.07.14.

+ ロボット事業に再参入するソニーの技術基盤

ソニー(6758)は先月29日、経営方針説明会においてAIを活用したロボット事業への参入を計画していることを発表した。既にロボット技術の事業化に向けた組織を4月に立ち上げており、また、5月にはアメリカの最先端AI開発ベンチャー企業COGITAIへの出資と提携を発表した。着々と事業化の準備を進めているソニーだが、広く知られている通り同社は2006年に家庭用ロボット事業から撤退している。「AIBO」を世に送り出した同社にとって実に10年ぶりのロボット事業再参入となる。本レポートでは、この10年の間に同社が蓄積してきたロボット技術と、同社がロボットに活用し得る技術を概観するために、当社の特許俯瞰解析ツール「TechRadar」を用いて明らかにした結果を紹介する。


2016.07.08.

+ 電力利用に欠かせない、モーターの技術開発

地球温暖化防止を目指し、CO2排出量削減が求められる中、エネルギーの有効利用が望まれていることは議論を待たない。特に太陽光発電等の再生可能エネルギーを利用して生成することが可能な電力はその有効活用が望まれる。化石燃料の利用を0にすることは難しいものの、電力を利用して代替することが出来れば、CO2排出量を削減できる可能性は高い。電力は様々な用途で利用されているが、化石燃料代替を考えた場合、モーターを用いて動力として利用する事で化石燃料の使用量を削減することが可能になる。動力として利用する場合、ハイブリッド自動車に代表されるように、電池に蓄電し、これを用いてモーターを利用する場面も多く、モーターが効率化することで航続距離が伸びるなどのメリットがあるため、重要な技術開発の一つと考えられる。そこで、今回はモーターの技術開発動向を分析する。


2016.06.30.

+ なぜAppleはLuxVue Technologyを買収したのか?

Micro-LEDは、従来のLEDと比較して、コントラスト、応答速度、省エネ性で優れている。スマートホンのユーザーならとりわけバッテリーの持続時間には関心があるだろう。 2014年5月、Appleは、Micro-LEDのscreen 技術を保有するLuxVue Technology(以下、LuxVue)を買収した。LuxVueは2009年に設立されたSanta Claraのスタートアップカンパニーであり、すでにシリーズCにて$43 million の調達にも成功していた。同社の技術はとりわけ省エネ性に優れているといわれている。同社のUS Patentは59件あり、中でもコアとなる技術はUS 8552436, Andreas Bibl, "Light emitting diode structure", published 8 October 2013である。


2016.06.23.

+ ストップ!ジカ熱・デング熱 特許俯瞰図からみた殺虫剤・忌避剤の技術動向推移

2016年夏のリオデジャネイロオリンピックの開催まで残すところ1か月半となり、五輪熱が盛り上がりを見せている。しかしながら今回のオリンピックでは別の意味での五輪熱が問題となっている。南米を中心に流行しているジカ熱である。ジカ熱はウイルスを持った蚊を媒介に感染し、国内でも2016年の2月以降、中南米への渡航歴のある4人に感染が確認された。ジカ熱はデング熱より症状が軽いが、妊婦が感染した場合に小頭症の原因となることが報告されているため、南米への渡航が増えるであろう夏以降、個人や自治体、国レベルでの注意が必要と言えよう。2014年には同じく蚊を媒介として感染するデング熱の二次感染者が国内でも確認され、それらの感染症の予防の面においても殺虫剤・忌避剤についての技術動向が注目されている。 よって、今回は広く殺虫剤・忌避剤について出願された特許を収集し、周辺の研究開発動向について特許俯瞰ツールTechRadarを用いて調査を行っていく。


2016.06.16.

+ 乳酸菌で見るこれからの飲料業界の推移 -好調なプロビオヨーグルト

乳酸菌は菌の中でも私たちがよく耳にする言葉である。スーパーやコンビニエンスストアで手にするヨーグルト、チーズ、アイス等の乳製品はもちろん最近ではチョコレートにも配合され、その商品価値は多岐にわたる。 中でも明治ホールディングズ(2269)は、プロビオブランドの「リスクと戦う乳酸菌」LG-21や「強さひきだす乳酸菌」R-1、「プリン体と戦う乳酸菌」PA-3等、の売り上げが大変好調である。消費者の心理に訴えかけたブランディングイメージはもちろんであるが、長年の乳酸菌研究成果のたまものであるともいえよう。 しかしながら好調な明治ホールディングズも2017年3月期の営業利益は減益見込みを見込んでいる。これには様々な要因があるが、一つには今後の人口減少に備え、製品の絞り込みを行っているとも推測されている。私たちの生活に欠かせない乳製品は今後どうなってゆくのか、乳酸菌に焦点を当て調査してゆく。


2016.06.09.

+ 4K・8Kの次なる映像技術革新として再び期待される裸眼3D技術を蓄積してきたプレイヤー

映像を立体的に見せる3D映画の技術は、2009年に上映されたハリウッド映画「アバター」を契機に流行し、日経トレンディにおいては2010年のヒット商品として2位に選定された。そして、一般家庭でも3D再生ができるように、テレビ機器への搭載が試みられたが、その家庭向けの市場は失敗だったとされている。原因としては、大型テレビのみの搭載であったり、価格が高額であったり、専用コンテンツが不足していたりなど、いくつか存在するが、特に問題であったとされるのは、3D視聴をするためには専用のメガネをかけなければならず、映画視聴のためならまだしも、日常的に使用するには適していなかったことだ。 その対策として、裸眼3D、グラスレス3Dと呼ばれる専用メガネなしで3D視聴が可能な液晶モニターの開発がされた。実際にSONY(6758)や東芝(6502)、富士通(6702)などで、裸眼3Dを搭載したパソコンやテレビ、デジタルフォトフレームが2011年~2013年の期間に発売されていた。しかし、次なる問題として、映像品質の大幅な低下と、基本的に一人だけしか視聴出来ない視聴範囲の問題が発生し、現在では、一般消費者向けの裸眼3Dモニターはほとんど発売されていない。 そうした問題のため、3D技術は映画の他、任天堂(7974)のゲーム機器や、携帯電話などの一人で1画面を占有する環境下でしか活用されていない。しかし、NHK放送技術研究所は技研公開2016において、8K・4Kの次の目標は立体テレビであるとして、8Kを超える解像度によって、立体テレビの実現が可能とする。実際に会場では、専用メガネを必要としない立体映像が展示されていた。


2016.06.02.

+ 高精細な有機ELを実現する蒸着マスクの技術開発動向

スマートフォンやテレビなどのディスプレイにおいて、有機EL素子が注目を集めている。LGやサムスングループなど韓国企業の先行が指摘される中、日本企業でもジャパンディスプレイ(6740)やシャープ(6753)が有機ELパネルの量産に向けた投資を進めていると報じられている。 有機EL素子の本格的な普及で恩恵を受けるのは、最終製品のメーカーに限られない。有機EL素子は、偏光板のように液晶と共通する部品が含まれる一方で、製造の要素技術には液晶にない技術が含まれる。中でも、蒸着マスクの技術は、より精細な有機EL素子のために重要な技術となる。そこで、有機EL素子の製造のための蒸着マスクの技術の開発動向を知るため、関連する日本国公開特許公報を収集し、弊社の提供する特許解析ツール TechRadar Vision (テックレーダービジョン)により俯瞰レーダーを作成し、分析する。


2016.05.26.

+ ほとんど「空気」な材料、エアロゲルとその応用

エアロゲルはシリカやアルミナ、高分子、あるいは炭素系材料などからなるゲルを原料とし、超臨界乾燥法などによって溶媒を除去したものである。そのため、内部に非常に多量な空孔を有しており、その孔隙率は90%を超え、孔隙率が高いものでは98%以上が空気というものも存在する。すなわち、固体でありながらスカスカの構造で、ほとんど空気のような状態になっている。そのためエアロゲルは熱伝導が極端に低い、遮音性が高い、屈折率が小さいなど、従来の固体では実現できない特性を持っている。 エアロゲルそのものは1930年代に発明された物質であり、すでに発明から80年以上が経過している。材料としては非常に興味深い物性を示すものであるが、製品として広く浸透しているとは言い難い。その一方で、近年の熱制御需要などによって、世界的には市場が増大しつつあることも報告されている。そこで今後どのような製品にエアロゲルが応用される可能性があるのか、また国内プレイヤーはどのように取り組んでいるのかを明らかにするために、エアロゲルに関する日本国内の特許公報の分析を行った。


2016.05.19.

+ 米国の株式超高速取引技術の分析

現在、世界の株式市場では、超高速取引(High Frequency Trading:HFT)なるものが行われている。米国市場の約5割、国内でも約4割がHFTでの取引と言われる。一部の市場において相手の注文情報を掴んだら、世界中の市場に対して、同じ注文を行う。自分がHFTを利用していれば、幾つかの地域で、相手の注文を出し抜いて利益を得ることが出来る。しかもこの操作をアルゴリズムによる自動売買で繰り返し行う。2010年の米国では、ダウ工業平均が数分間で千ドル乱高下するいわゆる「フラッシュ・クラッシュ」が起こった。原因は明らかではないが、HFTの影響が疑われている。そのためもあってか、近年では国内を含め欧米でHFTの規制が検討されるほどの社会的影響が現れている。 このHFTの技術を先行する米国における特許から解析を行った。分析には、VALUENEX株式会社が提供するテキストマイニングによる俯瞰ツールXLUS TechRadarを用いた。


2016.05.12.

+ 13年ぶり減収のアップルに次の一手はあるか

アップルが13年ぶりの減収に陥った。4月26日に発表された同社の2016年1~3月期決算では売上高が505億5700万ドルとなり、前年同期と比べ約13%減少した。売上の約65%を占めるiPhoneの販売が大幅に落ち込んだことや、iPad、Macの不振も響いた。 スマートフォン市場は引き続き拡大傾向にあるが、アップルの売上の約7割(2015年1~3月期)を占める日米欧の先進国市場の成長は鈍化している。新興国市場の成長を取り込めるか否かが同社の今後の成長の鍵となりそうだが、中国・シャオミなどの台頭により競争は激化している。アップルが今後も成長していくためには、スマートフォンやタブレット、PCなどの既存事業においてシェアを維持・拡大し得る新技術やサービスを投入し続けるか、昨年発売したが不調が続いているAppleWatchのような新事業を成功させる必要があるだろう。 本レポートでは、そうした状況のアップルに今後市場投入しうる新技術があるか否かを判断する一助とするため、同社の特許出願を俯瞰解析ツールTechRadarにより分析し、同社の注力技術の変遷を振り返りつつ、主な最新の注力技術を明らかにした結果を紹介する。